2008.05.20(火)
ささいな幸運から物語りは始る。
サンティアゴに到着したのは金曜日の夕方。月曜日発のこのフェリーに乗る気で土曜日の朝ホステルのスタッフにこの会社に電話を掛けてもらったのだがつながらず、19日の月曜日にサンティアゴにもあるオフィスに行き、もう26日発になる次のフェリーのチケットを買おうと思ったら、19日発の筈が悪天候のために出発が一日遅れて火曜日になるからいまからでも大丈夫と!
出発は夕方だから夜行バスで行ってプエルトモンに朝着けば十分に間に合う。サンティアゴでもう1週間待ちを覚悟していたので・・・これはうれしい遅れだ。
ホステルも親切だった。私がホステルに戻ったのは昼の1500時頃、チェックアウトは1200時と書いてあったので、まあ早く出発できるのな今日の1泊分くらいはいいだろうと諦め、そのあと人のいないのをいいことに無料のネットをずっとしていて、出発の1900時頃、荷物をまとめてチェックアウトをお願いすると今日の分はいいよと言ってくれた・・・
夜行バスに乗りプエルトモンに到着したのは朝の0800時。早速フェリーのオフィスに行きボーディングパス(乗船券)の手続きを済ませ、後はボーディングの開始される1430時までは街を散策する・・・
料金は約400ドル、一番下のクラスで390ドルだったのでたった10ドルの差ならとしたから一つ上のクラスにしている・・・安い金額ではないが・・・
私がフェリーにこだわるのには訳があった・・・・
私がツーリストである理由・・・
それは私が人並みはずれた”ロマンティスト”だからである・・・
ロマンの為に身命をいつでも投げ出し、捧げる、そんなツーリストだからなのである!!
「フィヨルドを巡るこのフェリー・・・今はシーズンオフでこれでも安く乗れる・・・それに・・・フィヨルドといったらロマンティックな響きがある。そう、ここは恋の芽生える場所・・・3泊4日、景色は確かにいいだろう、だがそのうちそれも見飽きて・・・そしてそこで出会った若い男女、お互いに何気なく話をしているうちにその内それにも飽きてきて・・・言葉がなくなったらやる事は一つ・・・濃密に愛を交し合う・・・そんな・・・そんな愛が生まれはぐくまれやすい場所・・・」
「それがこのフェリーに違いないのだ!!」
そしてそれこそが私がフェリーに乗る理由なのだ。
プエルトモンのモニュメントもそう私に語りかけているようだ・・・
『あなたは美しい恋をして今よりもっと綺麗になりなさい』
と・・・!!
愛し合う恋人達の像・・・
んっ?これ・・・
よく見たら女性に髭が・・・ってホモ??
そんなロマンに夢を抱きつつ私はプエルトモンを散策していた。
これは港の近くのアンヘルモ、土産物屋さんの壁がウロコのようでいい感じ。
そして中心のアルマス広場のカテドラル。
いよいよボーディングの1430時、私は港へ向かう。
あまりキレイとはいえないボーディング場でちょっと早めに待っていると三々五々人が集まってくる。
しかし・・・人数がどうも少ない・・・
このフェリーは230人乗りのはずだが・・・
数えてみる・・・んっ?14人???
明らかに外国人と分かるのは西洋人のカップルが2組だけ??
ロマンスに誘えそうな女性は???
どう見てもいないぞ!!
こっこれは・・・無理してフェリーにこだわった意味が・・・!!!
いや、私は観光マシーンと呼ばれる男・・・
愛や恋などどうでもいい。
一番大事なことは”観光”だ!!恋愛なぞのうつつを抜かしてる暇などはないのだ!!
ただひたすらに・・・フィヨルドでも眺めてればいいだろう・・・
1630時、いよいよフェリーに乗り込む
これがプエルトエデン号。
そして乗り込む乗客たち、男祭りか?これは??
1800時、フェリーは出発。これから3泊のクルーズが始る・・・
プエルトモンを後にする・・・
2008.05.21(水)
フィヨルド・・・
その言葉の響きは美しい・・・
秋のため朝があけるのは遅いが・・・今日一日、やつ等の実力を存分に楽しませていただこうか・・・
私はデッキに出る。
外は・・・
「・・・」
「・・・・・」
待て・・・個人の女性客がいず、恋のロマンスの芽生えようのない現在の状況で・・・
天気まで悪くてフィヨルドが全く見れなかったら・・・
「私は何にロマンを感じれば良いのだろうか・・・??」
それにちょっと嫌な事に私が寝ているベッドには何か虫がいて夜刺されてしまっていた・・・
泣きっ面に虫・・・
今の私の偽らざる心境だ。
これは艦橋、開いている限り自由に出入りできる。ナビもついている。うーんチリは先進国。
この日夕方まで晴れることなく・・・
ただ日没直前の一時間ぐらい、僅かに雲がなくなったその時に見えた虹が私にかすかな望みを与えてくれただけだった・・・
そして夜、満月に近い月を見上げてこう思った。
明日は晴れますように、と・・・
夜見た月と頂上に雪が被った山。
2008.05.22(木)
朝起きると空が明るい・・・
明け方の風景。そして朝日もはっきりと!!
天気は快晴だ。昨日までと打って変わっている。
これも私が"プロフェッショナル"だからに違いない・・・
昨日から引き続きベッドで虫に刺され、かゆみは増えるばかりなのはいただけないが・・・
こうなればフィヨルド全開である。
途中難破船を見たり・・・
そして狭い回廊を通過したり・・・
途中で一度町に立ち寄る、フィヨルドの中の島にある「プエルト・エデン」そう、このフェリーの名前もここから来ているのだ。
こんなフィヨルドの中の小さな町にも住んでる人がいるなんて・・・不思議な気分になれる。
プエルトエデンと大きな船を泊める港が無いので沖?合いにアンカーを降ろすところ。チェーンの錆が浮かび上がっている。
停泊中に小型ボートを付けて人の乗り降りや荷物の積み下ろし等をする。
船はまた狭い回廊に戻り・・・
また途中、山の雪が溶け、滝になっている姿を何本も目にし・・・
そして周囲の色が変わり始め・・・
夕焼けを見て一日が終わる・・・
2008.05.23(金)
今日が最終日だ。昨日よりさらに虫に刺されまくったのでかゆみも更に増している。
だが、空は快晴だ。
明け方の情景。空が徐々に赤みがかっていく
そして朝日が・・・
時刻は0830頃・・・
到着は1000時といっているので長い航海もこれで終わりだ・・・
そして町が見え始め・・・
プエルト・ナタレス。靄に包まれていて幻想的な感を醸し出している。
船は港に到着!!
停泊中のプエルト・エデン号
結局若い女性とのラブ・ロマンスは叶わず、400ドルも出して一番下より一つ上のクラスをとったにも関わらず虫に刺されまくったこの3泊4日の旅であったが・・・
フィヨルド・クルーズ・・・
このプロフェッショナルを持ってしても「中々やるじゃない!」と言わざるを得ないだろう・・・
ささいな幸運から物語りは始る。
サンティアゴに到着したのは金曜日の夕方。月曜日発のこのフェリーに乗る気で土曜日の朝ホステルのスタッフにこの会社に電話を掛けてもらったのだがつながらず、19日の月曜日にサンティアゴにもあるオフィスに行き、もう26日発になる次のフェリーのチケットを買おうと思ったら、19日発の筈が悪天候のために出発が一日遅れて火曜日になるからいまからでも大丈夫と!
出発は夕方だから夜行バスで行ってプエルトモンに朝着けば十分に間に合う。サンティアゴでもう1週間待ちを覚悟していたので・・・これはうれしい遅れだ。
ホステルも親切だった。私がホステルに戻ったのは昼の1500時頃、チェックアウトは1200時と書いてあったので、まあ早く出発できるのな今日の1泊分くらいはいいだろうと諦め、そのあと人のいないのをいいことに無料のネットをずっとしていて、出発の1900時頃、荷物をまとめてチェックアウトをお願いすると今日の分はいいよと言ってくれた・・・
夜行バスに乗りプエルトモンに到着したのは朝の0800時。早速フェリーのオフィスに行きボーディングパス(乗船券)の手続きを済ませ、後はボーディングの開始される1430時までは街を散策する・・・
料金は約400ドル、一番下のクラスで390ドルだったのでたった10ドルの差ならとしたから一つ上のクラスにしている・・・安い金額ではないが・・・
私がフェリーにこだわるのには訳があった・・・・
私がツーリストである理由・・・
それは私が人並みはずれた”ロマンティスト”だからである・・・
ロマンの為に身命をいつでも投げ出し、捧げる、そんなツーリストだからなのである!!
「フィヨルドを巡るこのフェリー・・・今はシーズンオフでこれでも安く乗れる・・・それに・・・フィヨルドといったらロマンティックな響きがある。そう、ここは恋の芽生える場所・・・3泊4日、景色は確かにいいだろう、だがそのうちそれも見飽きて・・・そしてそこで出会った若い男女、お互いに何気なく話をしているうちにその内それにも飽きてきて・・・言葉がなくなったらやる事は一つ・・・濃密に愛を交し合う・・・そんな・・・そんな愛が生まれはぐくまれやすい場所・・・」
「それがこのフェリーに違いないのだ!!」
そしてそれこそが私がフェリーに乗る理由なのだ。
プエルトモンのモニュメントもそう私に語りかけているようだ・・・
『あなたは美しい恋をして今よりもっと綺麗になりなさい』
と・・・!!
愛し合う恋人達の像・・・
んっ?これ・・・
よく見たら女性に髭が・・・ってホモ??
そんなロマンに夢を抱きつつ私はプエルトモンを散策していた。
これは港の近くのアンヘルモ、土産物屋さんの壁がウロコのようでいい感じ。
そして中心のアルマス広場のカテドラル。
いよいよボーディングの1430時、私は港へ向かう。
あまりキレイとはいえないボーディング場でちょっと早めに待っていると三々五々人が集まってくる。
しかし・・・人数がどうも少ない・・・
このフェリーは230人乗りのはずだが・・・
数えてみる・・・んっ?14人???
明らかに外国人と分かるのは西洋人のカップルが2組だけ??
ロマンスに誘えそうな女性は???
どう見てもいないぞ!!
こっこれは・・・無理してフェリーにこだわった意味が・・・!!!
いや、私は観光マシーンと呼ばれる男・・・
愛や恋などどうでもいい。
一番大事なことは”観光”だ!!恋愛なぞのうつつを抜かしてる暇などはないのだ!!
ただひたすらに・・・フィヨルドでも眺めてればいいだろう・・・
1630時、いよいよフェリーに乗り込む
これがプエルトエデン号。
そして乗り込む乗客たち、男祭りか?これは??
1800時、フェリーは出発。これから3泊のクルーズが始る・・・
プエルトモンを後にする・・・
2008.05.21(水)
フィヨルド・・・
その言葉の響きは美しい・・・
秋のため朝があけるのは遅いが・・・今日一日、やつ等の実力を存分に楽しませていただこうか・・・
私はデッキに出る。
外は・・・
「・・・」
「・・・・・」
待て・・・個人の女性客がいず、恋のロマンスの芽生えようのない現在の状況で・・・
天気まで悪くてフィヨルドが全く見れなかったら・・・
「私は何にロマンを感じれば良いのだろうか・・・??」
それにちょっと嫌な事に私が寝ているベッドには何か虫がいて夜刺されてしまっていた・・・
泣きっ面に虫・・・
今の私の偽らざる心境だ。
これは艦橋、開いている限り自由に出入りできる。ナビもついている。うーんチリは先進国。
この日夕方まで晴れることなく・・・
ただ日没直前の一時間ぐらい、僅かに雲がなくなったその時に見えた虹が私にかすかな望みを与えてくれただけだった・・・
そして夜、満月に近い月を見上げてこう思った。
明日は晴れますように、と・・・
夜見た月と頂上に雪が被った山。
2008.05.22(木)
朝起きると空が明るい・・・
明け方の風景。そして朝日もはっきりと!!
天気は快晴だ。昨日までと打って変わっている。
これも私が"プロフェッショナル"だからに違いない・・・
昨日から引き続きベッドで虫に刺され、かゆみは増えるばかりなのはいただけないが・・・
こうなればフィヨルド全開である。
途中難破船を見たり・・・
そして狭い回廊を通過したり・・・
途中で一度町に立ち寄る、フィヨルドの中の島にある「プエルト・エデン」そう、このフェリーの名前もここから来ているのだ。
こんなフィヨルドの中の小さな町にも住んでる人がいるなんて・・・不思議な気分になれる。
プエルトエデンと大きな船を泊める港が無いので沖?合いにアンカーを降ろすところ。チェーンの錆が浮かび上がっている。
停泊中に小型ボートを付けて人の乗り降りや荷物の積み下ろし等をする。
船はまた狭い回廊に戻り・・・
また途中、山の雪が溶け、滝になっている姿を何本も目にし・・・
そして周囲の色が変わり始め・・・
夕焼けを見て一日が終わる・・・
2008.05.23(金)
今日が最終日だ。昨日よりさらに虫に刺されまくったのでかゆみも更に増している。
だが、空は快晴だ。
明け方の情景。空が徐々に赤みがかっていく
そして朝日が・・・
時刻は0830頃・・・
到着は1000時といっているので長い航海もこれで終わりだ・・・
そして町が見え始め・・・
プエルト・ナタレス。靄に包まれていて幻想的な感を醸し出している。
船は港に到着!!
停泊中のプエルト・エデン号
結局若い女性とのラブ・ロマンスは叶わず、400ドルも出して一番下より一つ上のクラスをとったにも関わらず虫に刺されまくったこの3泊4日の旅であったが・・・
フィヨルド・クルーズ・・・
このプロフェッショナルを持ってしても「中々やるじゃない!」と言わざるを得ないだろう・・・